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| こだわり・・・(その一) 包丁:先代は一般的に有名な”正本”を使っていたが、 当代になり業界では有名な包丁屋のを使っていた、 これは当店出入りの大工の棟梁に進められたからで ある。しかし、その包丁屋が代替わりした途端使い 心地が悪くなってしまった。そこへ当店の常連客から 教えられた刀鍛冶に注文し打ってもらった包丁を今日 使い続けている。三代目曰く「モノを作らなくなった 職人は職人ではない、職人は職人を知る」とのこと、 現今日使い続ける包丁は”武蔵国水心子藤原良明”で ある。 |
| こだわり・・・(その二) 釜:現代は業務用のガス炊飯器が大半を占めるだろうが、 当店はかまど専門店に依頼し耐熱煉瓦等で作った特製の釜 を使う。 以前は先代が知人と共同開発した石綿製のかまどだったが、 製作会社は倒産、共同開発者は蒸発という曰く付きのモノ である。 いわゆる”オカマ”を石綿で作ったガス台(とでもいう のか)で全体を包んで炊くシャリは均等に熱が伝わり、 炊きあがりがことのほか良い。しかしながら、現存する 釜は使用中のモノのみなので、継続機が無いことが悩み の種である。 |
| こだわり・・・(その三) 器:器と言っても”陶磁器”ではなくて”漆器”のこと である。現代の鮨屋は”べいく(プラスティックのよう な素材)”の飯台で出前をするが、当店は昔ながらの木 の飯台、重箱しかも漆塗りである。手入れや修繕を考え ると大変手間が掛かるが、昔から使っていて繰り返し塗 り直したり修繕したりして現代に伝わる。”変えないこ と、変わらないこと”これが当店のモットーである。し かしながら、昨今は”漆器”の取り扱い方を知らない方 が多く出前で使って下げるとスポンジなどで洗われ傷付 けられることがある。「使っている方が悪い」という意 見も耳にするが、伝統を重んじ、伝えたい。 |
| こだわり・・・(その四) 戸:初めて訪れる方はその四枚引き戸にとまどいを覚え るだろう。現在日本全国を探しても四枚戸の鮨屋は簡単 には見つからないのではなかろうか。古い建物なだけに、 傾いたりして立て付けが悪くなっているがまだまだ現役 である。初めての方や知らない方は端の戸から入ってく るが堂々と真ん中から入られたい。この四枚引き戸にも ”変わらない”伝統が息づいている。 |
| 寿司ネタについて: 一言で言うと”古いスタイルの鮨”である。 若い方の中には甘エビやネギトロ巻を注文される方がいる が、当店ではそのような戦後に出てきたネタは置かない。 有るのはシッカリしめた〆モノ(光り物)や、ひと味加え たシャコ、煮イカ、蛤、帆立・・・。もちろん季節は厳格 に表し、夏なのにコハダやサバを置いたり冬でもアジを置 くと言うようなことはしない。魚の季節と鮨のネタを知り たければ是非ご来店いただき、確かめていただきたい。す し飯の上に刺身を乗っけただけの”カナッペ握り”に飽き た方、お待ち申し上げます。尚、特筆すべきは日本中探し ても10軒あるかないかの薄焼きの卵焼きである。東京で も薄焼き卵を使っている鮨屋は5軒無いはずである。当店 は毎朝主人が焼いている。 |
| メニューについて: 鮨屋なので一品モノは無い。 現代の鮨屋はやたらと”揚げ物”や”焼き物”等を用意 し、鮨屋なのだか小料理屋なのだか曖昧になっている。 元来の鮨屋では二つ三つ握りをつまんで帰るといういわ ば”ファストフード”である、酒をだらだらといつまで も飲む所ではない、故にお椀モノ(赤出汁他)も基本的 にはやらない。純粋に鮨を味わっていただきたい。お決 まりには並・中・上の三種類があるが、いずれも同じネ タを使い、並だからといって、安いネタを使いはしない。 上にも並にも同じマグロの赤身が入るのである。昼も夜 も同じ値段で提供している、もちろん夜に来店して握り 一人前で帰って頂いても結構なのである。飲み物はビー ル大瓶(キリンラガー)小瓶(エビス・モルツ・キリン ラガー)黒ビール(ギネス)の他に、清酒菊正宗特選及 び冷酒として菊正宗吟醸酒がある。焼酎はボトル売りの みとなるが、300mlの飲みきりサイズも用意してある。 いわゆるサワーは無い。 |